或るミニマリストの原点となった動画

2014年10月1日にミニマリスト宣言をした。
そのキッカケになったのが、この動画であった。
グラハム・ヒルの、「ものは少なく、しあわせは多めに」。
あの頃は確か、仕事の都合で岩手県の盛岡に居たと思う。
持病の喘息が悪化して、睡眠時無呼吸症候群まで悪くなり、
せっかく休職から復活して、盛岡の地で心機一転!と思っていたのに。
またもや仕事を休みがちになってしまい、クビにでもなるかと思ったが、
会社からは実家のある大阪に戻って、大阪の方で事務職でもどうか?と
そんな話を受けていた頃だった。もうとにかくどん底であった。
そんな時、この動画を、何きっかけで見たのかは覚えていないが、目にした。
以下に日本語訳も付記しておくが、冒頭から見入ってしまっていた。
グラハム・ヒルがプレゼンに登場し、見窄らしい段ボールに腰をかける。
「この箱の中身は何だと思います?」と語りかけて、プレゼンは始まるのだが、
当時のワタシの部屋は典型的な汚部屋であり、食べたものとかのゴミで溢れていた。
と同時に、転勤を繰り返していたので未開封のままのダンボールもいくつかあった。
「何であれ大切なものです。こいつとは常に一緒にアパートを渡り歩いています。」
聴衆からは笑いが起こるが、寝込んでいたワタシは首をもたげるようにして起きて、
「俺と一緒やな。」と力無く笑ったものであった。
そこから、この動画を食い入るように見ていた。
グラハム・ヒルが言うには、「少ないことがより幸せにつながる」ので、
「より小さな暮らしをしてみよう」とのことであった。
何というか、動画を見ているうちに、これまでのだらしない生活を振り返った。
朝から夜中まで働いて、たまの休みには僅かな給料でものを買い漁る。
仕事のストレスが溜まって飲み歩いて、食べ歩いて、
夜中に帰宅して、睡眠もそこそこにまた仕事に出かける。
若い頃は馬力もあったが、歳を取ると、こんな生活は出来なくなる。
やがて体は悲鳴をあげて、喘息と睡眠時無呼吸症候群、そこからのうつ病。
長らく会社を休職して、実家にも帰らず、ずっと部屋に篭りっきり。
ネットショッピングで物は買えるけど、休職中の身でもあるので、
元々それほどでも無かった給与はさらに減っていく。
それでも、会社の方や周囲の働きかけで何とか復職はしたものの、
ライフスタイルがそう変わるはずもなく、同じ轍を踏んでしまって、
今またこうして仕事を休んで、汚れた部屋で体を横たえている。。。
気がつけば、何度も何度もこの動画を見ていた。
この動画のメッセージ性もさることながら、
当時の弱り切っていた心と体には何とも染み渡って来た。
何かに縋りたいという気持ちも強かったのだろう。
ワタシの中で、何かが弾けて、何かが変わったのである。
会社の方からは実家に戻るよう言われており、
勿論体調のことは考慮に入れてはもらったが、
盛岡の部屋を退去する運びとなった。
実家に戻るまでの限られた時間ではあったが、
とにかく部屋の、分かりやすいゴミを一掃するのが精一杯であったが、
実家に戻った暁には、まずはモノの断捨離をしよう!と心に決めた。
溢れかえった自分のものと正面から向き合って、
手放すべき物は手放して、「ものは少なく、しあわせは多めに」を目指した。
2014年10月1日。
ミニマリスト生活は始まったのである。
そういった意味で、これはまさに原点ともいうべき動画であって、
今でも折りに触れて何度も見返している。
思えば、結構昔の動画ではあるけど、普遍的な何かがあると思っている。
是非是非、皆さんにもお勧めしたい動画となっているので。
時に。
ワタシのダンボールの箱の中身は何だったのか?
実家にもどって断捨離に励んでいた時に、ようやく開封した。(汗)
中からは、洋服のハンガーとか電源プラグとか、
あるいは書類の束とか、なんてことのないものが多数出てきた。。。
こんなものは、最初から要らなかったのである。
思えば社会人になって、実家から東京へ、そして大阪市内を転々とし、
その後は広島、岡山、そして大阪に戻って、そこから岩手の盛岡へ。
そしてまたまた大阪・堺の実家に戻るまで、常に一緒に居たのだ。。。
そりゃあもう、力無く笑うしかないね。(汗)
日本語訳
(1)この箱の中身は何だと思います? 何であれ大切なものです こいつとは常に一緒に
アパートを渡り歩いています
(笑)
(拍手)
(2)こんな光景見たことありますか? アメリカ人の一般家庭には 50年前の3倍ものスペースが あることはご存じでした? 3倍もですよ 余分なスペースがこんなに増えたなら 場所は有り余ってると考えますよね でもそれは違います 都市部では20万km2を超える 220億ドルに及ぶ新産業が誕生しました 貸し倉庫業です さてスペースは3倍になったものの 私たちは買い物上手になりすぎて 更なるスペースが必要な事態となっています どんな弊害があるのでしょう? クレジットカードの負債がかさみます エコロジカル・フットプリントが急増します そして私たちの幸福度が ここ50年間横ばいなのもこのためです
(3)そこで改善策を提案したいと思います 実は「少なさ」が「多さ」を生むかもしれません 皆さん どこかで「少なさ」に 幸せを覚えたことがあるはずです 大学の寮の部屋で 旅行中にホテルの部屋で 森の真ん中のキャンプ中に もしくはボートの上で 形は何であれ このような場面で 皆さん開放感や自由を感じたのではないでしょうか そこで提案なんですが モノとスペースを減らして フットプリントを削減しませんか 同時に支出も押さえられますし 更には人生にゆとりを持つことができます
(4)そこで この提案を更に推し進めて 解決策を探るために Life Editedというプロジェクトを立ち上げました まずMutopo.comとJovoto.comに協力して貰い 私の39平米のアパートをクラウドソーシングしました オフィス 10人用の食卓 ゲストルーム そして カイトサーフィン用具 全て必要でした 世界中から300を超える応募が集まり 私だけの宝石箱ができあがりました 55平米ではなく 39平米の部屋を買うことで あっという間に20万ドルの節約です スペースが限られれば家具も小さくなるので 更なる節約へとつながりますし それだけでなくフットプリントも減少します 本当に気に入ったものだけで 構成された自分の オーダーメイドの部屋に いること自体が楽しみになります
(5)どこから始めればいいのか? 主なアプローチは3つです まず 徹底的に無駄を省くことです 生活するスペースを確保しなくてはいけません 「何年も着てないこのTシャツはどうしよう?」 「やっぱり もう捨てようかな」 生活に不必要なモノは削りながら 増やさないようにする努力が必要です モノを買う際はよく考えて下さい その為には自問しましょう 「これを買って本当に幸せになれるかな?」 そうは言っても 一部のモノは買うべきです ただし ありふれたものでなく長年にわたって 愛用できるモノを買いましょう
(6)次に新たなマントラを掲げます 「小さい = セクシー」 スペースの効率化は急務です たまにしか使わないものではなく 年がら年中使用するようなものは 必ず要りますよね コンロを3つも使わないなら6つもある必要はないですよね? そこでコンパクトに収納できるものや デジタル化されたものが理想的になります 書類も書籍も映画も 全て魔法のように 消し去ることが出来ます
(7)最後に スペースや家具は多機能のものがいいですね トイレとシンクの融合 ベッドにもなる食卓 余分な場所はとりません 引き延ばすと10人分の いすになるサイドテーブル ご覧頂いているLife Editedプロジェクトでは 変形家具と動く壁を組み合わせ スペースの有効活用を図っています そこのコーヒーテーブルは 縦横に伸ばすと 10人分のスペースになります オフィスも折りたたんで 簡単に収納できます 指で押すだけでベッドが飛び出します ゲストが来たらって? 壁の裏には 折りたたみのベッドがあります もちろんホームシアターも忘れてはいけません
(8)さて 私はなにも39平米の家で 暮らせと言っているのではありません しかしコンパクトな生活の利点は分かって下さい 84坪から56坪へ 42坪から28坪へと減らしましょう 皆さん ここでは 小さなホテルの部屋に泊まっています 荷物も限られているはずです 何か不満はありますか? そこで帰宅してドアを開けたら こう自問して下さい 「少しコンパクトに生活できないか?」 「そうすれば自由も増えないか?」 「空き時間もできるかな?」
(9)この箱の中身はなにかって? そんなことはどうでもいいんです こんなものは要らないんです 皆さんなら何を入れますか もしかしたら 「少なさ」は 「多さ」を生むかもしれません ですから 幸せのために スペースを空けましょう
ありがとうございました
(拍手)