(001/100_2021)「深夜特急」を読了。永遠のバイブルの名に相応しい名作!
# Intro
以前から、実は気になっていた作品であった。
自己成長を促すものとしての、「人・本・旅」。
まあ、コロナ禍にあって、緊急事態宣言下、
思うように出かけられず、また出かけている場合でもないのだが、
これまでの人生を振り返るに、ワタシにはどうも、「旅」が足りていない。
そんなことを考えているときに、旅に関する本を読んでみようと思い、
真っ先に浮かんだのが、「深夜特急」であった。
本なんていつでも読めると思いつつも、何だかんだで読めずじまい。。。
と、こういう時の、「100のチェックリスト」!(笑)
2021年のやることリストに掲げることにしたのである。
[box06 title=”あわせて読みたい”] 2021年の100のチェックリストを作成した[/box06]
# 作者とともに、旅を進めている気にさせられる描写力
それにしても、文庫にして全6巻か。
読み応えがありそうと思い、“大人買い“してみたのだが、
なかなかどうして。^^;;
読み進むこと、半端ないね。
他の本と併読しつつ、お仕事もしつつ、20日程度で読了してしまった。。。
元々は、インドのデリーから、連合王国(イギリス)のロンドンまで、
バスで旅をするという太川陽介をグレードアップさせたような始まりであったが
デリーに到達するまでの、香港マカオ編も相当に楽しめてしまう。
そしてマレー半島あたりで、香港の幻影(のようなもの)を引きづりつつ、
インドに到着するなり、さすがは人生観が変わる国とでも言おうか。
ワタシ的には決して行ってみたいとは思わないものの、^^;;
インドという国そのものに、パワーがあるのだろう。
なんとも生々しい。。。
まあ、作者の筆の力と言えるだろうが、本作の、大きな山場がやってくるのである。
その後も、シルクロードを行き、トルコあたりにくると、
アジアとヨーロッパの対比というか、書き分けというか、
そして道中の旅の速度というかが、また絶妙と言えた。
一部、インド以降は、淡々と過ぎていく感じがするとのレビューも見たが、
そこはエリアの違いとでもいうのか。
あるいは、作者の「旅」が成熟化していったとでもいうか。
(「成熟」というのも、違うか?)
なんというか、時間の経過とともに、旅に慣れていってしまっていることで、
この壮大な旅を作者なりに乗りこなしつつある感じを受けた。
まあ、これはこれで、ワタシ的にはマルであるのだが。
そして。
旅は、終わる。まあ、終わるから旅なのだろうけど。
巻末、「恐れずに。しかし気をつけて。」という作者のフレーズが、
旅というものを、見事に端的に言い表しているように思えた。
そう。
ワタシも、「旅」がしたくてしたくて、たまらなくなってしまったのである。
加えて、各巻に収められている対談も、興味深く読む事ができた。
なぜか、井上陽水や高倉健が出ているのには驚きとともに、笑けてしまったが。(笑)
# Outro
それにしても、面白かった。
看板に偽り無し!といったところか。
あと、ミニマリスト的には、この壮大な旅の「荷物」が気になった。
これだけの行程なので、あまり多くは持ち運べないであろう。
持参した本を、行く先々で交換している件は見受けられたが、
おそらくは、相当に軽装ではあったことは読み取れた。
若かりし頃の作者だったので、それほど持ち物が多くはなかっただけかもしれない。
ただ、旅のパッキングについては、その人らしさが現れて然るべきである。
「何を持ち、何を持たないか。」
この旅行鞄の中身を吟味する過程は、どんな旅にしたいのかにもよる。
まるで、人生そのものではないか。
ミニマリスト的な立脚地点に立つと、さらにこの本の魅力が増した。
これはもう、是非ともお勧めしたい!