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繰り返し観る『ものは少なく、幸せは多めに』

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# Intro
忘れられない、TEDのプレゼンがある。
グラハム・ヒル氏による「Less stuff, more happiness (ものは少なく、幸せは多めに)」
ミニマリスト生活を標榜し始めたころに、ネットで見つけたものである。
今も、折に触れて見返すことがある。
言いたいことを、時間的制約の厳しいTEDにあって、うまくまとめてくれている。
2011年の3月とあるのでかなり前のものではあるが、
ワタシの中では、未だ褪せてはいない。

# 実感レベルで響いたプレゼン内容

この箱の中身は何だと思います?
何であれ大切なものです。こいつとは常に一緒にアパートを渡り歩いています。
(笑)
(拍手)
こんな光景見たことありますか?
アメリカ人の一般家庭には、50年前の3倍ものスペースがあることはご存じでした?
3倍もですよ!
余分なスペースがこんなに増えたなら、場所は有り余ってると考えますよね?
でもそれは違います。
都市部では20万km2を超える、220億ドルに及ぶ新産業が誕生しました。貸し倉庫業です
さてスペースは3倍になったものの、私たちは買い物上手になりすぎて、
更なるスペースが必要な事態となっています。
どんな弊害があるのでしょう?
クレジットカードの負債がかさみます。エコロジカル・フットプリントが急増します。
そして私たちの「幸福度」が、ここ50年間横ばいなのもこのためです。

そこで改善策を提案したいと思います。
実は「少なさ」が「多さ」を生むかもしれません。
皆さん、どこかで「少なさ」に”幸せ”を覚えたことがあるはずです。
大学の寮の部屋で、旅行中にホテルの部屋で、
森の真ん中のキャンプ中に、もしくはボートの上で。
形は何であれ、このような場面で、皆さん開放感や自由を感じたのではないでしょうか?
そこで提案なんですが、モノとスペースを減らしてフットプリントを削減しませんか?
同時に支出も押さえられますし、更には人生にゆとりを持つことができます。

そこで、この提案を更に推し進めて解決策を探るために、
Life Editedというプロジェクトを立ち上げました。
まず、Mutopo.comとJovoto.comに協力して貰い、
私の39平米のアパートをクラウドソーシングしました。
オフィス、10人用の食卓、ゲストルーム、そしてカイトサーフィン用具、全て必要でした
世界中から300を超える応募が集まり、私だけの”宝石箱”ができあがりました。
55平米ではなく、39平米の部屋を買うことで、あっという間に20万ドルの節約です。
スペースが限られれば家具も小さくなるので、更なる節約へとつながりますし、
それだけでなくフットプリントも減少します。
本当に気に入ったものだけで構成された、
自分のオーダーメイドの部屋にいること自体が楽しみになります。

どこから始めればいいのか?主なアプローチは3つです。

まず 徹底的に無駄を省くことです。
生活するスペースを確保しなくてはいけません。
「何年も着てないこのTシャツはどうしよう?」 「やっぱり もう捨てようかな。」
生活に不必要なモノは削りながら、増やさないようにする努力が必要です。
モノを買う際はよく考えて下さい。その為には自問しましょう!
「これを買って本当に幸せになれるかな?」
そうは言っても 一部のモノは買うべきです。
但し、ありふれたものでなく長年にわたって愛用できるモノを買いましょう。

次に、新たなマントラを掲げます。「小さい = セクシー」
スペースの効率化は急務です。
たまにしか使わないものではなく、年がら年中使用するようなものは必ず要りますよね?
コンロを3つも使わないなら、6つもある必要はないですよね?
そこでコンパクトに収納できるものや、デジタル化されたものが理想的になります。
書類も、書籍も、映画も、全て魔法のように消し去ることが出来ます。

最後にスペースや家具は、多機能のものがいいですね。
トイレとシンクの融合、ベッドにもなる食卓、余分な場所はとりません。
引き延ばすと10人分のいすになるサイドテーブル。
ご覧頂いているLife Editedプロジェクトでは、変形家具と動く壁を組み合わせ、
スペースの有効活用を図っています。
そこのコーヒーテーブルは、縦横に伸ばすと10人分のスペースになります。
オフィスも折りたたんで、簡単に収納できます。指で押すだけでベッドが飛び出します。
ゲストが来たらって? 壁の裏には 折りたたみのベッドがあります。
もちろんホームシアターも忘れてはいけません。

さて。
私はなにも39平米の家で暮らせと言っているのではありません。
しかしコンパクトな生活の利点は分かって下さい。
84坪から56坪へ、42坪から28坪へと減らしましょう。
皆さん。ここでは小さなホテルの部屋に泊まっています。
荷物も限られているはずです。何か不満はありますか?
そこで帰宅してドアを開けたら、こう自問して下さい。
「少しコンパクトに生活できないか?」
「そうすれば自由も増えないか?」
「空き時間もできるかな?」

この箱の中身は何かって?
そんなことは、どうでもいいんです。
こんなものは要らないんです。
皆さんなら何を入れますか?
もしかしたら、「少なさ」は 「多さ」を生むかもしれません。
ですから、”幸せのために”スペースを空けましょう!
ありがとうございました。
(拍手)

ミニマリスト生活を志向していた、まさにドンピシャのタイミングだったので、
ワタシの心にビンビン来たのだと思う。
アメリカと日本の違いはあれど、アメリカの後追い国家であるわが国でも、
まさに似たような状況にあるのではないか?と。
徹底的に無駄を省くアプローチを推し進めていく上で、
氏の提唱する、「小さいのはセクシーだ」というマントラ(?)は明快ともいえる。
ただ。。。
一部、多機能には惹かれるも、近頃は「単機能」の物にも魅力を感じている。^^;;
まあ、それはそれ。時の経過とともに、変化があってもいいのだから。
Life Editedのサイトも、もちろん英語ではあるが、
写真などを見るだけでも、なかなか楽しめて気に入っている。

# Outro
ワタシ自身、何度かの転勤生活の中で、「開かずの段ボール」を持っていた。^^;;
2014年に実家に戻ってから開封したが、箱ごと不要であることに気付いた。
これをもって、転々としていたのかと思うと、何だったんだと思い知った。
もちろん、スパイス的な遊びの部分も、生活には必要であるが、
スパイスにまみれた暮らしは、やはり快適とは言えないだろう。

物理的なモノは、ある点を境にして、それが本来満たすはずの精神的欲求まで打ち消してしまう。

自らの適量は、どれくらいか?
このプレゼンは、時間が経過しても、様々な気付きを与えてくれている。

ABOUT ME
ヤマバヤシ タカシ
大阪府堺市出身・在住。オーバーワーク気味の社会人生活の中で、うつ病を経験。生き方を変えようと、2014年10月よりミニマリズムに傾倒。ミニマリスト/ブロガー/ランナー/介護職員